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きょうの一冊(白尾芽)

こんにちは、編集・執筆を担当している白尾です。
コロナ禍のなかですっかり外食の機会が減り、自炊することが増えたという方も多いのではないでしょうか。

私もそのひとりで、週に1〜2回スーパーでたくさん買い物をし、組み合わせを考えながら料理をつくっています。
料理へのこだわりが強い母の姿を見ていたこともあり、私も時間があればかつお節や煮干しで出汁を取っていたのですが、やはり少しめんどうになり、最近「ほんだし」を買ってみました。
そして使ってみて驚きました! お湯に溶かして味付けするだけですぐ汁物が完成し、なによりとても美味しいのです。
いままで手に取らなかったことを少し後悔するとともに、無意識のうちに自分のなかに存在していた「手づくり」への強迫観念のようなものに気づきました。

前置きが長くなりましたが、きょうご紹介する本は、久保明教『「家庭料理」という戦場 暮らしはデザインできるか?』(コトニ社、2020)です。

文化人類学者である著者が、調理、実食、そして思考を繰り返しながら「家庭料理」に迫る本書。小林カツ代や栗原はるみといった料理研究家による本や「食べるラー油」、「クックパッド」までを横断しながら、家庭料理の変遷をたどります。そしてまさに私がふと違和感を覚えた「手づくり」の概念についても語られています。
なにか「救われる」部分があるわけでもないのが面白く、「ああまたこの日々は続いていくのだな、さて今日は何を食べよう?」と、自然に生活の実践へと導いてくれるような一冊です。