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活版印刷「築地活字」の名刺 ――3Dプリンターではつくれない活字技術

こんにちは、ボイズの及位です。
弊社の名刺は活版印刷で、1枚の厚みがとても分厚いため、
名刺交換させていただいた方の名刺入れを圧迫してしまいがちです。
その点ではご迷惑をおかけしているのですが、
この名刺は横浜の吉野町にある活版印刷「築地活字」の職人さんの手仕事でつくられており、
ボイズのスタッフが大切に使っているステーショナリーでもあります。

先日、増刷してもらった名刺を受け取りに、
お世話になっている「築地活字」さんへ訪問しました。
いつもはデザイナーの岡部がやり取りをしていて、
わたしが訪問するのは初めての機会。
そこに並んでいる「鋳造機」「母型金庫」「活字部屋」などを、
5代目社長の平工希一さんにご案内をいただいてしまいました!

築地活字さんの社内。たくさんの鋳造機が並びます。

文字の型となる「母型」から、1本1本の「活字」を鉛でつくり出す「鋳造機」ですが、
築地活字さんにある鋳造機のひとつ前のモデルが、「機械遺産」に認定されたのだそうです。
「古くなれば鉄くずになってしまう機械が、遺産として残っていく意味は大きい」
と平工さんは話してくれました。

鋳造機。このひとつ前のモデルの鋳造機が、機械遺産に認定されたそうです。

そして築地活字には貴重な「母型」を格納する「母型金庫」があり、
金庫を開いて母型を見せていただきました。
さまざまな級数の母型が並びます。
とても小さな一文字一文字は、
3Dプリンターの技術でも新たな母型をつくることができないそうです。
それほど緻密なつくりなのです。

「母型金庫」を開ける平工さん。ビートたけしのテレビ番組も取材に来たそうです。

「新たな母型の開発もされているのですか?」と尋ねると、
それにかかるコストと需要を考えると難しいとのお答えでした。
母型をつくってきた伝統の職人さんの手仕事のかけがえのなさを改めて知り、
この名刺をもつことにも背筋が伸びる思いです。

たくさんの活字を格納している「活字部屋」は、
斜めの棚の設計が頑丈なつくりになっていて「東日本大震災のときにも活字が倒れなかった」ほど、安定感があるのだそうです。
たくさんの技術が詰まった場所でした。

通称「活字部屋」。斜めにして収納することで、安定して保管できるそうです。

8月30日~9月1日には「活版TOKYO」が開催され、
「築地活字」さんも参加されるそうです。
ワークショップもあるそうなので、わたしも参加してみたいと思います!

活版TOKYO

活版TOKYO

築地活字さんのWEBサイトはこちらです↓
http://tsukiji-katsuji.com/