横浜歴史探訪「上大岡」(中村元哉)
こんにちは、編集・執筆を担当している中村です。6月に入り気温も上がってきて暑いですね。今回のテーマ「横浜歴史探訪」として、私が生まれ育った上大岡駅周辺の歴史についてご紹介します。
上大岡は京浜急行と横浜市営地下鉄が停まる上大岡駅を中心として、京急百貨店やmioka、camioなど駅前に多くの商業施設があります。2010年にTOHOシネマズ上大岡ができたときは「横浜や桜木町に行かずとも映画が観れる!」と驚きました。現在、上大岡は横浜市において副都心に位置づけられています。
いまは栄えている上大岡も、京浜急行の前身である湘南電気鉄道が開通した1930年頃は、あたり一帯水田だったそうです。駅ができてからも1日の利用者数は20人ほど。活気とは無縁の場所でした。幸いにも戦時中は空襲などの被害もなく、戦後1951年頃から上大岡駅を利用しやすくするため、急行電車を停まるようにしたことで都心からのアクセスが改善されました。それ以降、1963年には京急百貨店がオープン、1972年に横浜市営地下鉄が開業するなど、かつて田園風景広がる地域とは思えないスピードで発展。再開発で京急百貨店・ウイング上大岡やcamioが建設され、現在も再開発は続いています。
ところで「上大岡」という名称。「上(大岡)」というなら「下(大岡)」もあるのだろうか、と長年疑問に思っていました。調べてみると、1911年まで「下大岡村」が現在の京急弘明寺駅の東側に存在していたそうです。1889年に上大岡村と下大岡村を含む12の村が合併して「大岡川村」となり、その後、1911年に元・下大岡村を含む一部の地域が大岡川村から分離し、横浜市に編入。現在の大岡1丁目〜5丁目にあたる「大岡町」となったそうです。
「上大岡」に注意を向けることで、いまでは存在しない「下大岡」という場所が浮かび上がってくるというのは面白いですね。慣れ親しんだ場所について調べてみると、新たな発見があるかもしれません。